EPO九州は、5月15(土)・16日(日)に、鹿児島県重富干潟にて開催された「ESD×生物多様性」地域ワークショップに協力・参加いたしました。
※ESD(Education for Sustainable Development)=持続可能な開発のための教育
このワークショップは、ESD-Jの「ESD×生物多様性プロジェクト」 の一環として、ESD-Jとくすの木自然館の共催で開催されました。
◆日時: 5月15(土)13:00~17:00 ・16日(日)9:00~12:00
◆場所: 15日 重富干潟小さな博物館 (鹿児島県姶良郡姶良町重富干潟)
16日 かごしま県民交流センター3F小研修室第1
※「ESD×生物多様性プロジェ クト」=日本の各地域の、 生物多様性保全に根差しながらも人びとの生業と成り立たせるような地域づくりの取り組みを探るプロジェクト。
↑ 重富干潟から見える桜島と錦江湾
まず1日目の15日は、特定非営利活動法人 くすの木自然館 の運営する「重富干潟小さな博物館」にてスタートしました。
専門員である浜本麦(ばく)さんより、「干潟の生態系と重要性を地域と共に守り伝えるには」と題し、くすの木自然館の活動と博物館ができるまでの解説がありました。
くすの木自然館は、開発の危機にあった重富干潟の豊かな自然とその重要性を、干潟の生き物の観察会やゴミ拾いを実施することで地域に伝え、その活動が町全体を巻き込み、開発を阻止することに繋がりました。今では地域の人々の集る場所になった重富干潟に博物館を構えています。
次にその干潟で生き物観察フィールドワーク。
参加者全員夢中となり、「集合!」の声にもなかなか集りません。。。
その後それぞれの生き物について解説を聞き、生物多様性の仕組みについて,パズルとまとめをしました。
「生物多様性」というと難しそうですが、干潟で見た生き物達の相関図をパズルとして組み立てると、分かりやすいですね!
翌16日は、 くすの木自然館専務理事 浜本 奈鼓さんをファシリテーターとし、ESDと生物多様性が広がっていくために必要なこと、また地域づくりをする上でのポイントを、参加者全員で考えてみました。
「ESD」や「生物多様性」が意識として広がるには、大人に対しては、子どもの頃の経験を追体験し、その重要性を理解できるような、「育ち直し」が必要であり、子どもは経験×知識の両方が必要で、それらを理解できるようになるためには、インタープリター(自然について解説をする人)の存在が必要不可欠という意見がでました。
また、地域づくりをする上でのポイントは、とにかく地域のいいところを探し、その価値を再発見してもらうこと。また、地元の人を主役にして、その地域の昔話やタブーなども巻き込み、地域の精神的な部分へのアプローチも大事だという意見が出ました。
2日間のワークショップを通して、「ESD×生物多様性」を日々実践されているくすの木自然館の活動をより深く知ることができ、また参加者それぞれの抱える課題へのアプローチ方法について参加者全員で考えることができました。
また自然豊かな鹿児島を再発見することで、身近すぎて当たり前になっている自分達の住む地域の自然の豊かさをもう一度見つめ直すきっかけになったと思います。