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インタビュー

NPO法人大淀川流域ネットワーク代表 杉尾 哲さん

2013.12

大淀川流域ネットワークはどのような団体ですか?

大淀川は宮崎・鹿児島・熊本の3県にまたがる九州でも有数の一級河川です。流域面積は九州で二番目、本川の長さは四番目です。流域には約60万人もの住民が生活し、様々に川を利用しています。
 しかし水質、水量が悪化して昔のような人々が遊び親しんだ清流の面影が失われていたことから、大淀川を昔の姿に戻そうと、流域内の住民や団体が参加して、平成16年に「大淀川流域ネットワーク」が発足しました。

 

タコノアシの保全活動はどのようなきっかけで始められましたか?

平成27年から、絶滅危惧植物であるタコノアシの保全活動を大淀川に架かる天満橋の下の河川敷を中心に行っています。
きっかけは別のプログラムを河川敷で実施した際に、目の前のワンドを観察したことです。以前は上流側の水路の水が小川となってワンドに流れ込んでいたのですが、平成17年の台風で流されてきた土砂が小川に堆積して、水路とワンドが繋がっていませんでした。
また同じ頃、福岡県にある遠賀川水辺館を視察した際に、水辺の小川で寒い時期に子どもたちが楽しく遊んでいるところを見ていました。
水辺で楽しめる空間を作り、水路とワンドとの繋がりを再生するために、宮崎河川国道事務所と連携して、堆積した小川の8割程度を重機で掘削していただきました。残りの区間は、企業の助成を受けながらボランティアや子ども達を集めスコップで掘る活動を行いました。
このときに、小川の上流側の湿地にタコノアシが自生していることを見つけたのです。しかし、ヨシなどの背の高い植物の陰になって日当たりが悪く、タコノアシがなかなか生育できないため環境の整備が必要でした。
そこで市民の皆さんに、生活空間の近くの絶滅危惧種の存在を知ってもらい、生育地を拡大するためにタコノアシの保全活動を始めました。年に3回から4回、周辺の草を刈ってもらっています。

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以前は宮崎県のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類でしたが、生育地が回復してきたことで準絶滅危惧の区分になりました。活動を始める前は、今のように群落を形成している状態ではなく、数株あるような状態でしたので、ある程度活動が成功したなと思っています。

【参考】宮崎県:宮崎県版レッドリスト及びレッドデータブックについて
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/shizen/kurashi/shizen/page00193.html

 

NPOとしての活動における他の主体との連携はいかがですか?

先程のタコノアシの活動のように、助成等で企業の力を借りることにより効果的な成果が出ています。
また、近年では、宮崎市内の専門学校が力を貸してくれるようになりました。学校によれば、学生をボランティア活動に参加させたいという方針とのことで、公務員志望だけではなく、様々な分野の学生が関わってくれています。
そうした成果は、大淀川クリーンアップ活動にも繋がっています。大淀川右岸・左岸の13区間での清掃活動を企画し、参加者を募集したところ1,000人を超える応募がありました。このときも、専門学校や企業から多くの参加者がありました。
こうした環境保全活動を企業のCSRとして参加してもらえないかと、地元の経済界にも強く呼びかけています。

 

プログラムに取り組んでどのようなご感想をお持ちですか?

実施団体となった当初から、環境と防災というキーワードで多彩なプログラムを実施してきました。
宮崎県延岡市の北川地区や宮崎海岸などを訪れ、環境と調和した防災のための公共事業の現場を見学することで、環境保全意識に加えて、防災への意識も啓発できればと思って企画をしています。
このGreenGift地球元気プログラムの全国会議に参加し、他の団体の皆さんの活動をお聞きしたところ、当団体の活動は大人向けの要素があり専門性が強すぎるのかと反省する部分がありました。また、川辺で「うなぎ掴み」などの企画を実施すると、子ども達がものすごく喜んでくれます。参加者は「楽しさ」という要素も、印象深く記憶してくれるのだなと思う機会もありました。
そこで、このGreenGift地球元気プログラムでも、子ども達が河川空間で楽しめる要素が必要だと思い「身近な川を楽しもう」というテーマに替えました。
以前はタコノアシの保全活動という内容で終わっていたところを、Eボート体験や芝滑りなど遊びの要素を組み合わせて企画をしています。実際にプログラムを行ってみると、いろいろな気付きがあり、参加者からの好評なリアクションがあります。PDCAサイクルを回すことの大切さを学びました。

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参加者の感想で思い出深いものはありますか?

プログラムを行う中で、12月にあいにくの小雨決行となった時がありました。
私達は「危なくないか」「風邪を引かないか」「保護者の反応はどうか」といったことが非常に気になっていましたが、保護者から「雨の中でも子どもは何も関係なしに楽しむのですね」という言葉をいただいたのです。日程や潮位の点から、やむなく小雨ながら思い切って実施したのですが、マイナスの意見が多いと予想する中、大変ご好評をいただきました。
年配の方に話を聞くと、昔は子どもが大淀川で遊んでいたが、イベントが無い時にはほとんど来ないと語られていました。
川での水難事故を防ぐために、昭和30~40年代にかけて学校にプールができました。そのため、自然の中での河川体験が次第に薄れていきました。その子ども達が大きくなったのが、現在の保護者世代なので、自分の子どもをどこの川に遊びに連れていけば良いのかが分からないのだと思います。
保護者に河川体験について教育しないと、こうした状況が改善していかないという思いがあるので、子どもだけの参加にせず、敢えて保護者同伴という募集方法をとっているのです。
保護者に対しても川の自然を知ってもらえるきっかっけになれば素晴らしいことです。子ども達の一番の対話の相手は保護者です。プログラムへの参加を通して、子どもと大人が結びつき、互いのいろいろな新しい面が発見できるのではないかと思っています。
 

これまでの活動では協働という視点からどのような気付きや成果がありましたか?

私たち大淀川流域ネットワークは約100人の会員で活動していますが、会員の高齢化が進んでおり、実際にプログラムの実施に携わるのは20人程度かなと思います。
プログラムも多岐に渡り、広域での活動もありますから、様々な主体のスタッフが連携をして実施することが不可欠です。
例えば延岡市の北川で活動した場合も、現地に詳しい方に支援していただく必要がありましたし、ホタルの観察する際も場所や時間、安全管理に詳しい方に応援してもらわなければなりません。
うまく連携できているのは内水面漁業組合です。水産資源の義務放流という制度上の活動があるので、ウナギ掴みなどのイベントを組合で募集しても良いのだけどもと言われる中で、その部分を私達が担う協働体制ができています。
企業のCSRも同様で、私達が企業にお声掛けしたことをきっかけに、ボランティア活動が成立した例がたくさんできています。こうした実績を企業もどんどん発信してもらうことが大切だと思っています。
企業から、「こんな話をしてもらえませんか」「こういう活動をお願いできませんか」などの話が増えており、地域の内外における連携や活動の広がりが進行しています。

川は身近な自然空間で、川の恩恵を私達はこれまでものすごく受けてきました
その一方、生活が便利になっていくことで、川への目線は大きく離れています。
ところが、これだけ毎年のように河川の災害が起きているという現在では、否が応でも河川へもう一度目を向けないといけません。
今年度は河川の流路を確保するため、河川の樹木伐採とか土砂掘削が全国で行われています。
ところが、河川の樹木というのは、私たちに恵みをもたらす要素もあり、どこの木でもどれだけでも切って良いというわけではありません。
このような残さなくてはいけない樹木、切らなくてはいけない樹木をきちんと見極めるために、今年度、緊急に宮崎県と協働して土木技術者育成の勉強会を行いました。実施したところ「どういう教材を使ったのか「どういう業者が参加したのか」など多方面からたくさんの質問を頂戴しています。

今後大淀川流域ネットワークの活動における目標はありますか?

市民に川の恵みを再認識してもらうということが、大きな目標としてあります。
子ども達にそれが伝わるように活動を推進しなければなりません。その中には当然、環境保全というスタンスもありますが、防災という視点も欠かせません。
洪水は憂慮すべき災害ですが、それによって環境が更新されるというプラスの側面もあります。氾濫原などすごくいい題材で、この部分を理解できるような子どもが育つと良いなと思っています。
保護者の世代には、世界の四代文明が川とともに反映してきたこと、川の名前と文明の名前を一緒に勉強したでしょうという話をすると、容易に納得されます。
大切な川の機能があるからこそ、人口が増えて文明が発達していったという歴史がありますので、川は私たち人間にとって、切り離すことができない存在だという話をよくします。この部分が、少しずつ子ども達にも伝わっているのかなというところもあり、うれしく思っているところです。

私たちのイベントに参加してくれるのは、主に小学生です。中学生や高校生というのはなかなか参加してくれないという思いがありました。
しかし今年度、2020年の卓上カレンダーの絵を募集したところ、中学生や高校生も川の絵を描いて応募してくれました。高校3年生の作品もありました。
勉強で忙しい中でも、私たちが続けてきた活動に参加してくれた子ども達は、河川環境の素晴らしい景観をちゃんと見てくれていて、こうして作品に描いてくれるんだなと実感しました。
ひとつひとつ地道な活動ですが、継続すれば実施する意味がこのように成果として出てくるのだと感じています。

(平成31年12月 インタビュー)

<リンク>
大淀川流域ネットワーク
http://www.oyodo-river.org/

ローカルフードサイクリングで目指す「おたがいさま」の共助社会

NPO法人循環生活研究所 理事長 たいら 由以子 さん

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<NPO法人循環生活研究所とは>

循環生活研究所(通称:循生研~じゅんなまけん)は、『暮らしに必要なものを地域内で循環させることで得られる、楽しくて、安全で、創造的な生活』を「循環生活」と名付け、調査・研究・提案を行っている市民団体で、平成16年9月に特定非営利活動法人となりました。
主な活動として、生ごみや庭からでる有機物をごみとして出さずに循環させる技術と堆肥づくりの楽しさを伝えています。手作りの堆肥がもたらす循環のさまざまな恩恵を享受できる豊かなライフスタイルに興味がある方々と、規制や義務的ではなく、すすんでやったみたいと思える楽しい活動に取り組まれています。

Local Food Cycling(ローカルフードサイクリング:LFC)

台所を起点とした地域の栄養サイクルをつくるプロジェクトです。家庭で取り組むダンボールコンポストをコミュニティ化し、堆肥を使って地域の畑で野菜を育て、地域で消費する半径2kmの資源循環サイクルをつくります。NPO法人循環生活研究所がアイランドシティ(一般住宅型)と美和台地区(高齢者型)、天神地区(商業地区)の3つを活動拠点にして取り組んでいます。

 

 

若者が取り組む地域課題解決のアクションをサポート!

北九州まなびとESDステーション 特任教員 宮原 昌宏 さん

 

 北九州まなびとESDステーションは、北九州の全10大学と地域社会が連携し、実践活動による人材育成に取り組むプロジェクト型の拠点で、「マイプロジェクト(通称マイプロ)」をはじめ、若者がアクションを起こす機会を創出しています。マイプロジェクト九州実行委員会の事務局として、プロジェクトを運営しながら高校生、大学生のサポートをされている宮原昌宏さん(北九州まなびとESDステーション 特任教員)に、活動の背景や拠点の特長、若者による活動の様子などについてお話を伺いました。

※「マイプロジェクト」とは、高校生が地域や身の回りの課題や気になることをテーマにプロジェクトを立ち上げ、実行することを通じて学ぶ課題解決型の学習のことです。

 

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今回インタビューしたのは、NPO法人みずのとらベル隊 山下 吉弘さん。
みずのとらベル隊には、GreenGift地球元気プログラムの熊本県の実施団体としてご活動を頂いております。
今回は、日頃のご活動や、上記プログラムをとおした活動の変化などについて、お話しをうかがいました。

GG kumamoto yamashita(平成31年2月 インタビュー)

Green Gift 地球元気プログラム | Green Gift | 東京海上日動火災保険
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/world/greengift/internal_activity/

 

 

■みずのとらベル隊の活動内容を教えていただけますか。

豊かな自然に育まれた緑川水系の河川環境の保全と創造、また、次世代の担い手である子どもたちに自然体験活動の機会を提供することなどを目的に、2004年に設立されました。具体的には、体験型環境学習事業、水辺の安全教育・幼児プログラム事業、自然体験活動指導者育成事業などを行っています。また、2016年に発生した熊本地震の復興支援活動や防災・減災の活動にも取り組んでいます。

 

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EPO九州では、人と地域を育くむ持続可能な開発のための教育として、ESD拠点支援事業*を行っています(本年度は、北九州、水俣、日南の3か所で実施)。

今回はその中から、日南市の子育て支援センター「ことこと」を通じて、宮崎の飫肥杉を用い高校生が子ども用おもちゃを提案する「高校生木育デザインプロジェクト」を支えている「高校生木育デザインプロジェクト連絡協議会」のメンバー、みやざきアートセンターの緒方由紀子さんにお話をうかがいました。

* ESD拠点支援事業とは、ESDや環境教育に取組む学習センターや社会教育施設などの地域拠点におけるESDの取組強化やネットワーク形成を推進することを目的としている事業です。

ESD(Education for Susutainaobl Developmante)とは、持続可能な開発のため地域の人材を育てる教育をさします。
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Q:みやざきアートセンターでは、主にどんな業務を担われていますか?

教育普及課に属し、展覧会の関連イベントを企画運営したり、キッズルームの管理、木育事業を担っています。

Q:ESD拠点支援事業に参加されたいきさつを教えてください。

みやざきアートセンターでは、子どもたちへの教育の一環として木育事業もやっており、私が担当しています。それで、高校生木育デザインプロジェクトが立ち上がったのをきっかけにお手伝いすることになりました。

Q:宮崎では「高校生木育デザインプロジェクト」という取組をされていますが、高校生を対象にされたのはなぜでしょうか?

宮崎県は杉の生産高が日本一です。しかしながら、地域の循環資源である木材について、またそれを扱う林業について知る機会がありません。まずは地域の財産を知ってもらい、また、その素材を「デザイン」の力で世の中に出していく、ということを学ぶことで、将来を担う高校生にとって、

貴重な経験になるのでは、と思っています。

Q: この取組を「高校生木育デザインプロジェクト連絡協議会」で高校生たちをサポートされていますが、この協議会ができた経緯を教えていただけますか?

協議会ができた経緯は、高校生がスムーズな活動が出来るようにするためです。

Q: この協議会には、どのような方が参加されているのですか?

宮崎は林業が盛んな県です。このため木育には以前から関心があり、宮崎県と、宮崎県森林林業協会、みやざき木づかい県民会議の3者が協力し、「木育サポーター」を育成したり、「木育デザイン協議会」を作って勉強会をし『木育かわら版』の発行をしたりしています。このようなベースがあり、協議会には、県の担当部局や森林林業協会に加盟の地場産業の方々、木育サポーターとなられた一般市民ボランティアなど幅広い方が参加されています。その中で、高校生のスケジュールに合わせられる方にご出席いただいています。

Q: 「高校生木育デザインプロジェクト連絡協議会」では、緒方さんは主にどんなことをされているのでしょうか。

役割としては、スケジュール調整、連絡網作成、協議会の企画・場の設定など、主に学校側との調整がです。

Q:高校生の活動を見て、人材育成の面でどのような力が培われていると思いますか?

生徒たちは、普段は一人で制作していることが多いようです。この活動では、個人ではなくチームで意見を出し合うことから始まりますので、まず意見をまとめる、まとめたものをカタチにしていく、という一連の作業を通して、〝人と協力する〟というコミュニケーション能力を高めているように感じます。また、プレゼンテーションを通し、他のチームの良い点を見ることでお互いの学び合いになっているように感じます。

Q:今後、彼らにどのように育っていってほしいと思われていますか?

自分が育った場所の事を知り、誇りに思い、帰る場所があることを感じ、どんな職業についても自分が欠かせない存在であることを信じて頑張ってほしいです。

Q:ESD拠点支援事業を通して、何か発見されたり変化を感じられることはあるでしょうか。

学校側として高校生が地域や社会と触れ合う機会が少ない、地域や企業にとっては高校生と接する機会が少ないという問題を、ESD拠点支援事業を通して、お互いの悩みを解決できるきっかけになっていると感じます。

Q:今後、このような高校生(若者)の学びの場作りについて、アートセンターとしてやっていきたいとお考えのことは何かありますか?

すでに取り組んでいるのですが、高校生に講師になってもらい、展覧会の関連イベントを実施しています。今後も、このように高校生に活躍してもらえるような場を設けていけたらと考えています。

 

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<リンク>

みやざきアートセンター

http://miyazaki-ac.com

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