市民力がスゴイ!! ドイツと韓国に学ぶ「環境市民活動」
~メディアと市民の目から見た持続可能な社会づくり 帰国報告会~開催報告
第5回目となるEPO九州環境ミニセミナーを下記のとおり開催しました。
【開催日時】
平成21年2月14日(木)15:30~17:30
【テーマ】
ドイツと韓国に学ぶ「環境市民活動」
~メディアと市民の目から見た持続可能な社会づくり 帰国報告会~
【主旨】
環境先進国といわれるドイツと、市民活動ネットワークに特徴づけられる韓国の環境事情について知り、市民活動を通した持続可能な社会づくりについて考えるセミナー。
【内容】
15:30~16:30
講演「根付く再生可能エネルギー 環境先進国ドイツを歩く」について
久間 孝志 氏(熊本日日新聞 暮らし情報部 記者)
16:30~17:30
講演「韓国視察交流-2008」について
宮北 隆志 氏(NPO法人環境ネットワークくまもと 代表理事)、視察訪問団 他6名
17:30~17:40 アンケート回収
【成果と課題】
はじめに、熊本日日新聞の久間氏から、視察で訪れたドイツにおける再生可能エネルギーの普及状況についてお話いただきました。視察先の写真も交え、世界に おける最新のデータや取材を通して得た熊本の情報などとの比較もありました。ドイツが、太陽光発電や風車、バイオマス利用の普及を押し上げている背景とし て、2002年に原子力からの撤退が決定したことや、再生可能エネルギーで生み出された電力を固定価格で高く買い取る「再生可能エネルギー法」が原動力と なっているという説明がありましたが、久間氏の「脱原子力も市民の1つの選択ではないだろうか」という言葉が印象的でした。
続いて、環境ネットワークくまもとの宮北氏から、2001年から続いている韓国環境運動連合(KFEM)との交流について紹介が行われました。今年度は日 本から、韓国における先進的な廃棄物抑制政策や市民・NPO活動の課題の共有を目的として視察に行かれたそうです。視察先の1つであるごみ問題解決のため のネットワーク団体は、国内240余りのNGOや市民団体で構成され、会員数約550万人と社会にも非常に大きな影響力を持っていることが紹介されまし た。他の視察参加者から「団地における生ごみや廃油を含めた資源物分別ステーションで、小さな子どもが当たり前のように分別しており、市民の意識の高さが うかがえた」といったコメントもありました。

それぞれの講演を終え、セミナー参加者からは、「海外では市民が環境に取り組む本気度が違うと思いました。」「市民の力は世の中を変えられること、改めて “そうだ!”と思いました。」といった感想が寄せられました。また、「原子力からの撤退を決めた時のドイツ政府は、経済的な試算をきちんと国民に示せたの か。市民は原子力を利用しないことをどのように選んだのか。」といった質問も寄せられました。
今回は、定員を超える40名程度の方々にお集まりいただきましたが、未来の環境市民である若い世代からの参加が少なかったので、さまざまな世代の方にご参加いただけるよう、今後も開催告知の広報を工夫したいと思います。
【会場】
熊本市国際交流会館2Fラウンジスペース
【主催・共催】
EPO九州、(財)熊本市国際交流振興事業団、NPO法人環境ネットワークくまもと