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繋げよう九州!広げようEPOの輪!インタビュー 長瀬 勉さん

韓国・釜山まで50Km、日本で一番韓国に近い島 対馬。今回インタビューさせていただいたのは、 その対馬で漂着ゴミ問題に取り組む、NPO法人 対馬の底力代表長瀬勉さんです。 多くの壁にぶつかりながらも、地道に活動を続ける長瀬さんの対馬を思う熱い気持ちに圧倒された2時間でした。

インタビュー  長瀬 勉 さん (NPO法人 対馬の底力 代表)

 ○「対馬ば(を)どげんかしょうや!」
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仲間同士で集って、「みんなでちょっとずつ力を出し合って、
対馬のために何かできないか」、と話し合っていたのが始まりなんです。
宮崎の東国原知事が「どげんかせんといかん」と言っていましたが、
対馬弁では「どげんかしょうや」というんですよね。
対馬がいくら不景気になっても、自分達には、親もいて、
墓もあって、対馬から出て行くわけにはいかない。
やっていける力が残っている今のうちに、先を目指しておかないと。
まだそれくらいの力は残っているということで、名前に底力と入れました。
「対馬ば(を)どげんかしょうや!」と仲間と話している時に、ふと「ゴミ拾いをしようか。」と言ったんです。 
「今の対馬の海岸、真剣に見て、歩いたことある?」と聞いたら、「ない」と言うので、
皆で見に行きました。
行ってみると、とても子ども達が裸足で走ることができないようなゴミの量だったので、
まずできることから始めようということで、ゴミ拾いを始めました。
偉そうなことは言えないけど、ゴミを拾うことだったら、自分達の家族だけでもできるし、
自分一人でもできるじゃないかと言ってですね。

○ゴミ拾いが繋げる地域の輪

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今まで活動をしていて、これで一線越えたとか、成果とかはまだないですね。
ゴミ処理方法に関して、行政とのすれ違いなど、壁はまだまだ多いです。
それでも活動を続けて行こうと思うのは、やっぱり子どもたちのためですね。
金銭的な問題も含め、もう活動を続けられないかもしれないと追い詰められて
いる時に、ジャージがコール炭で真っ黒になった子どもが、
「またあるときは教えて下さい、手伝いに来ます。」と言うんですよ。
その姿を見たら、みんなで「何があってもやめるわけにはいかんよね」
と言っています。
↑子どもたちが彫ってくれた「対馬の底力」看板
掃除を企画するのは我々メンバーですけど、実際に掃除の当日になると、中学生や高校生が
ほとんど取り仕切ってるんですよ。高校進学のために福岡・長崎に行きますと言う子もいますが、
人を傷つけたり、自分が逃げ出したくなった時は、とりあえず対馬に帰ってこいと言っています。
講演に行っても、その話だけですね。対馬には、先生もいれば、親もいるし。
何もすることがなかったら、みんなとゴミ拾いをすればいいと伝えています。
ゴミ拾いは、年齢や職業、立場など関係なく、いろんな人と知り合える場にもなっているんですよね。
また、高校生の中には、ようやく今年大学生になる子達もいるので、とにかく大学生を連れてこいと言っているんです。
現状を広めて行くことも大切だし、対馬に帰ってきたいんだったら、大学にいる4年間、外のことを吸収して、
対馬に使えんかなと思う気持ちをどこかに持っててくれと伝えています。
子ども達も「4年後、対馬 に帰ってくるときを楽しみにしていて下さい」と言ってくれているんです。
とにかく冷え込んでいる対馬の経済をどうにかしたいというのもあるんです。
学校で話を聞くと、仕事があれば対馬に残りたいと言う子がほとんどなんですよ。
高校や大学で外に進学しても、卒業したら戻ってきたい。それなのに実際には対馬に働く場所がない。
その気になれば、この漂着ゴミの掃除や回収業務、処理過程で雇用はできると思います。
ちゃんとした仕組みを作って仕事として出せば、高校を卒業して仕事がない人達に提供できるんですよね。


今、対馬の自殺者の数は全国平均の倍になっているんですが、対馬が経済も含めて元気になれば、
状況は変わってくると思います。そのためにも企業でも個人でも、いろんな立場の人達が「対馬の底力」を
利用してアピールなり、繋がり作りなりをしてもらえればいいと思います。
対馬の中にも、野生動物保護であったり、街中のゴミを拾おうとかいろいろ活動はありますが、
気持ちは一つなんですよ。私たちは対馬が元気になればそれでいいんですから。

○漂着ゴミは日本海岸全域の問題

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TV局の取材が来たときに、記者が長崎に戻って編集したら、
「これは九州全体の問題だ」ということで、九州全域の放送となり、
それを見ていた東京の方が、「九州だけの問題ではないぞ、
日本海岸全域だ」ということで、全国区でも放送されました。
この全国的な問題について、長崎が先頭に立って方針を作っていい立場にいると思います。
そこに、行政で進んでいるところは視察に来たり、見学に来たり、
社会教育で学生が来たり、それが観光に繋がっていったり。
対馬とか壱岐とか五島の人は、島に住み続けなければならないんですよ。
いろんなことを糧にしていかなければならないと思いますね。

■インタビューを終えて

堂々とした雰囲気で、対馬への愛情あふれるお話をして下さった長瀬さん。
意外ですが、人前で話すことや、今回のインタビューのようなことも「とっても苦手」だそうで、
実は写真を撮らせていただく時も、とっても照れくさそうにされていました。
しかし、今対馬のために、まさに表舞台に立って、テレビ出演や講演など幅広く活動されています。
長瀬さんを始め、「対馬の底力」のメンバーの方々が、真剣に対馬の将来と子ども達の事を思い、
様々な壁にぶつかりながらも地道に活動をしている姿は、何より対馬を元気にしているのではないでしょうか?
小学生も大人も、立場も年齢も関係なく、一丸となって活動している姿から、そう感じます。
思わず「こんなにカッコいい大人が周りにいる子どもたちは幸せだと思います!」と熱く語っていた林でした。

EPO九州  林 秀美

 【関連リンク】

NPO法人 対馬の底力  http://www4.ocn.ne.jp/~sokojk/index.html


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