ESD推進事業  abot R

ESD地域学びあいフォーラムin佐世保 開催報告

EPO九州では、長崎県佐世保市で「ESD地域学びあいフォーラム」を開催しました。毎年、持続可能な地域づくりに向けた人づくりについて、活動団体と地域の方々が語りあう場として開催しています。

今年は「未来へ伝える地域の宝」をテーマに、九十九島ビジターセンターの取組や大学生および地元団体の活動を紹介。その後、参加者を交えて地域でのESD活動について意見交換を行いました。

開会澤さん

 

開催概要

■日時:平成28年9月10日(土)13:00~15:00
■場所:九十九島ビジターセンター レクチャー室(長崎県佐世保市鹿子前町1053-2)


■主催:九州環境パートナーシップオフィス
■共催:長崎県、九州環境教育ミーティング
■後援:長崎県教育委員会、佐世保市、佐世保市教育委員会

 

○九十九島の海と保全

「西海国立公園 九十九島の自然と九十九島ビジターセンターの取り組み」

九十九島ビジターセンター センター長 大谷拓也さん

 初めに、九十九島ビジターセンター(以下、九十九島VC)の施設紹介と設立の経緯が紹介され、九十九島の地理的・歴史的特徴の説明がありました。軍港の歴史と、国立公園に指定され自然公園法により守られたことが、今日の豊かな自然を保持していることにつながっています。
 また、多くの写真資料を基に、海岸を浄化してくれるドロアワモチなど、この海域が育む貴重な水生生物や植物等も紹介していただきました。
 またESDにつながる取組として、自然調査の結果をメディアや学会などで広報し、自然観察会で実際に体感してもらい、地域の方々に “関心を持って好きになってもらう”ための場作りもされています。
 九十九島の特徴や九十九島VCの様々な取り組みに対し、参加者からは、地元にいても知らない情報があった、多岐にわたる活動に感心した、活動に参加してみたいなど多くの感想をいただきました。

九十九島1大谷さん

 
「美しい長崎の海を」

ながさき海援隊 代表 山下清志郎さん

 ながさき海援隊は、2013年に設立された大学生をはじめとする若年層主体の団体です。赤潮や磯焼け、干拓貧酸素などから「長崎の海を守ろう!」と結成されました。
 自分たちに出来ることをと漂着ゴミ問題に着目。
 活動は、地域の様々な方と一緒に清掃活動を行ったり、環境省やICC(International Coastal Cleanup)の漂着物調査を実施。清掃終了後は海水浴やBBQをするなど、長崎の魅力を満喫するよう努めているとのことです。また、展示会やプレゼンテーションなどを通し啓発活動も行ってらっしゃいます。
 ESDとしては、清掃終了後のワークショップで、海ゴミの問題点や解決策を考えたり、活動の反省点や要望を共有したりして、団体とメンバーの成長につなげられています。
 今後は、広報を拡充し参加者をさらに増やしたり、県北地域への活動を広げていきたいとのことでした。
 会場からは、若者がこのような活動をしていることを喜ぶ声が多く、今後の連携をとのご提案もありました。

海援隊1山下さん

 

○地域での環境保全活動

 「県からの情報提供」

長崎県 環境部 環境政策課 企画班 主事 岡 野歩子さん 

 長崎県では、環境教育等の推進を図るため、「長崎県環境教育等行動計画」(H26 3月策定)に基づき、環境学習や環境活動の取組に支援をされています。
 県が運営する環境学習総合サイト『環境活動eネットながさき』では、交流を深める“ながさきグリーングリーンサポーターズクラブ”が創設され会員を募集中。環境団体のイベント情報等の掲載・発信ができ、メールマガジン配信などもが受けられるものです。
 この他、環境アドバイザーの派遣や学習資材の貸出など、多岐にわたる支援メニューをご紹介いただきました。
 参加者からは、講師探しが大変な時があるので利用したい、予算がない時に助かるなどの声が聞かれました。
県庁 岡さん

 

「育て!緑のこどもたち‼」
プロジェクトワイルド長崎県 代表 衣川圭太さん

 佐世保市内に2つの私立保育園と学童クラブを運営されている衣川さんは、“佐世保を好きな子”を育てる、“生きる力”を育てる、をモットーに、自然体験や環境教育の活動を、繰り返し遊びの中に取り入れられています。
 活動後は保護者へも広報し、親子で話すことで「記憶」と「身」につくことを目標にされています。
 このような中、環境教育支援者の会として立ち上げられたのが、「プロジェクトワイルド長崎県」。プロジェクトワイルド:動物、プロジェクトWET:水、プロジェクトラーニングツリー:木育、RAC:川遊び の実施や勉強会を行われています。
 また、外部からの委託を受け、出前講座も実施されています。
 これら衣川さんの取組は、子供たちへのESDと言えるでしょう。
 園内外で、ESDプログラムに親しんだ多くの人材を輩出することに貢献されており、将来佐世保を担う人材が育っていると期待がもてる報告をいただきました。

PW衣川さん

 

○意見交換

パネラー
九十九島ビジターセンター  : 大谷 拓也さん
ながさき海援隊      : 山下 清志郎さん
長崎県環境部環境政策課  :  岡 野歩子さん
プロジェクトワイルド長崎県 : 衣川 圭太さん

進行
NPO法人環境カウンセリング協会長崎:浅田 要一郎さん
九州環境パートナーシップオフィス: 澤 克彦

 発表いただいた4名の講師に加え、進行役として県内の事例に明るい浅田さん、主催側より澤を交え、パネルディスカッションが行われました。
 まず、各団体の活動発表を聞いた印象を伺うと、ポスターなどでは知り得ない実際のセンターの活動に感心した、学生さんたち若い青年の活動が頼もしい、県の制度や支援を知らなかったので会のメンバーで共有したいなどがあがりました。
 また、活動で一番うれしいこととしては、参加者の笑顔やメンバーが達成感を感じてくれたときなどがあげられました。
 参加者からは、護岸整備に対する疑問が投げかけられ、最近は近自然工法という手法も出てきたことや、生物多様性と安全のバランスが大事ではという回答がありました。島原で川の清掃活動をされている方からは、「会に携わるのは高齢者が多く、県内で学生が活動していることに驚いた。出張も頼めるか」と、早速連携を打診する意見も出ました。
 最後は、パネラーのみなさんから「地域の宝」として「子どもたち」が宝、「人」や「人のつながり」、そして海を浄化してくれる貴重な「ドロアワモチ」が宝であることを共有し、閉会しました。
 環境活動に楽しみをインプットし、楽しい雰囲気を作って周りを巻き込んでいく力が感じられた佐世保でのフォーラムでした。
 みなさまありがとうございました。

意見交換
※当日は、ケーブルテレビ「テレビ佐世保」の取材が入り、夜のニュース「スポットインサセボ」で放映されました。

 

環境省 九州地方環境パートナーシップオフィス 
EPO九州
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熊本市国際交流会館2F
Tel.096-312-1884 Fax.096-312-1894