平成29年6月10日(土)、NPO法人みずのとらベル隊の主催による体験プログラム「木と楽しむ一日」が熊本県上益城郡で開催されました。会場は御船町立滝尾小学校で、小学生とその保護者約30名が参加しました。
御船町は熊本地震によって大きな被害がでた地域の一つです。今回のプログラムは復興支援の取組として、滝尾小学校の児童とその保護者を対象に行われました。
開会式終了後、参加者は班ごとに分かれて、ツリーイングと秘密基地づくりの活動を交互に行いました。ツリーイングとはロープを使用して行う新感覚の木登りで、木の上の世界を楽しむアウトドアレジャーの1つです。校庭にあるクスノキにあらかじめロープをかけておき、そのロープと体をハーネス(安全ベルト)などの道具で固定して登ります。参加者は講師の方の説明と注意事項を聞いた後、さっそくヘルメットやハーネスなどを身につけ、ツリーイングに挑戦しました。フットループと呼ばれる輪っかに足をかけ、踏ん張るようにして足を伸ばすと、上に登る仕組みになっています。子どもたちはすぐにコツをつかんですいすい上に登っていきますが、体格の大きい保護者にとってはなかなか上に登ることができず、苦労しているようでした。上に登るにつれて視線が高く、視野が広がるため、参加者たちは普段見ることができない景色を思う存分楽しむことができました。
なお、ロープをかけている木の又には、チューブのような緩衝材を使ってロープと樹皮がなるべく擦れないようにしているため、樹皮を傷つけないそうです。
一方、秘密基地づくりのグループは、ビニールシートやロープ、園芸用の支柱、木の枝など、身近なものを使って、秘密基地づくりを行いました。日差しを避けるため、ビニールシートをどのような形に広げるのか、支柱は何本必要か、ロープをどこに固定するのかなど、班の中で話し合いながら決めていきます。慣れないロープワークに最初は苦労しながらも、上手に固定できると、その達成感に満足している様子が伺えました。講師の方より、ビニールシートの張り方やロープワークを覚えるとキャンプや災害時など様々な場面で役に立つので大変便利ですよとの説明があると、みんな納得した表情を浮かべていました。
滝尾小学校では熊本地震の影響で校舎を利用することができず、約8か月間、御船中学校の校舎を間借りして、授業を行っておりました。今回の活動は小学校のシンボルツリーともいえるクスノキに親しみ、木と友だちになる貴重な機会となりました。この一日の活動が、子どもたちと学校のきずなを深めるきっかけとなることを願っています。