セミナーはCSRに関する基調講演ならびに企業とNPOによるパートナーシップ事例の報告から構成され、参加者との意見交換も行いました。
開会にあたって、九州地方環境事務所 黒瀨所長よりご挨拶をいただきました。

≪基調講演≫
今回、CSRついて、特に現状・動向・課題等を中心に、北九州市立大学大学院マネジメント研究科 特任教授 広瀬隆明氏より「企業と社会の持続的発展をめざすCSR」と題してスライドをもとに次のような内容をお話いただきました。
まず「CSRとは何か、なぜ今CSRなのか」というテーマで、CSRが重要視されるようになった背景や最近のCSRに関する代表的な定義、見解について説明が行われました。
複数の関係機関がCSRについて定義している中で、「地球環境・社会・企業の持続可能性」、「経済・環境・社会のトリプルボトムライン」、「ステークホル ダーとの良好な関係」等が共通したキーワードとして提示され、各キーワードについて具体的な事例も含めながら内容が紹介されました。
さらに、CSRの国際基準および日本における基準が提示され、CSRレポートのガイドライン、世界各国のSRI(社会的責任投資)の動向等について触れながら、CSRに関する国際的な基準・規格の動向の紹介が行われました。
最後に、CSRの今後の在り方やCSRで企業活動はどう変わるかについて、発表のまとめが行われました。
≪事例発表≫
引き続き、パートナーシップに基づく環境CSRに取り組む企業およびNPOの事例発表として、次の2事例が紹介されました。
□ 株式会社新日鉄都市開発 九州支店
赤井直也支店長より「環境共生街づくりとCSR活動の取組み」と題し、遊休地化した自社所有の北九州市東田地区(120ha)の土地有効活用策として、パートナーシップによる環境共生の街づくりの取り組みなどが報告されました。
街づくりの推進体制は、市民・NPO、企業、行政、研究機関など多彩な主体による協働で行われ、環境共生まちづくり推進24プログラムに基づき、実施されています。
具体的な内容としては、八幡東田グリーンビレッジ構想、環境共生住宅(リビオ東田ヴィルコート)、NPO法人タウンモービルネットワーク北九州とのパート ナーシップによるカーシェアリング事業等の説明が行われました。また、これらの事業は、全国に2か所という厳しい選定基準をクリアした環境省「街区まるご とCO2 20%削減事業」に採択されていることについても紹介がありました。
□ NPO法人 緑川流域連携会議
岡裕二事務局長より「サントリー(株)との協働による森と水の学校 阿蘇校 宿泊プログラムの開催」と題し、プロジェクトの概要や運営体制について報告が行われました。
サントリー(株)と緑川流域連携会議とがパートナーシップを組むことのポイントが説明されました。具体的には、地域情報や地域の人材を把握している緑川流 域連携会議の強みと、高品質のプログラムを作り上げたいというサントリー(株)の思いにより、環境教育プログラムの質的向上、活動にかかわるスタッフおよ び活動のレベル向上と連携強化が図れていることなどが紹介されました。
≪意見交換会≫
基調講演および事例発表をふまえて広瀬氏によるコーディネートのもと、事例発表者と参加者による意見交換会が開催されました。
≪まとめ≫
今回のセミナーでは、基調講演をとおしてCSRについての認識を共有し、パートナーシップの視点から環境保全型の地域づくり(活性化)と環境学習プログラ ムについて個別具体的な事例発表がなされました。また、これらをふまえた意見交換会では具体的な質問も出され、活発な意見交換ができました。
また、参加者からは、
・CSRについての理解が促進できた
・CSRと今後の仕事との関係の重要性を認識した
・具体的な事例を知ることができた
といった積極的な評価をいただきました。
また、今後期待することとして、より具体的な協働の在り方についてのセミナーや企業とNPOとの接点づくりの場の提供を希望するといったコメントをいただきました。
EPO九州の取り組む重要なテーマの一つとして環境CSRを位置づけ、多様なセクターの協働・パートナーシップによる九州の環境力の向上に取り組んでいきたいと考えます。

